おはようございます。
入院中つらかった出来事の一つに「せん妄(せんもう)」があります。
当時は訳が分からなかったのですが、今になって断片的に思い出すことが多々あり、似たような状況になった方のご参考になれば、という思いで今日は書きます。
せん妄にも色々とあるようなので、いち・がん患者のせん妄体験談としてお読みいただければと思います。
はじめに、「せん妄」とは?
何らかの原因で脳が機能不全を起こすことによって生じる軽い意識障害です。意識がぼんやりとした状態となり、場所や時間の感覚が鈍くなったり、落ち着きがなく、動き回ったりします。健康な人でも、熟睡中に急に起こされたら、一瞬自分がどこにいてどういう状況なのかわからなくなりますが、その状態に近いのがせん妄です。
引用元:
原因は高齢や認知症などによるものもあるそうですが、私は「抗がん剤治療」ということになると思います。
いつなったのか
私の場合は、最初の抗がん剤治療中に発症しました。抗がん剤が効きすぎたのか、“腫瘍崩壊症候群(※)”と言うのにかかりICU(集中治療室)に入ったのですが、その最中になりました。
ちなみにICUには10日間ほどいたのですが、入った時の記憶はなくて、目が覚めたら何日か経っていて知らない部屋にいる、というまさに浦島太郎状態でした。🐢
(※)腫瘍崩壊症候群:こちらのサイトで見たら“救命率は4~5割”だそうです。危なかったんだ…(゚Д゚;)
せん妄の症状
私の場合、思い出せる範囲では以下の症状がありました
- 壁や天井の模様が動いて見える
- 監視カメラで監視されていると疑心暗鬼になる
- 部屋の外に積んである荷物のシルエットを人影と思い込み「家族がドアの外にずっと立っていてかわいそう。部屋に入れてあげてください」と看護師さんに何度も言う
- 家族宛に意味不明な手紙を書く
- 今がいつなのかが分からない(自分がどこにいるか、場所だけは理解していました)
- 呼びかけに対して反応が遅い(後から看護師さんに聞いた話では「〇〇さ~ん(私の名前)」という呼びかけに対する返事までたっぷり30秒くらいかかったそうです。返ってきた「は~い♪」という私の返事は、やけに明るい声だったそうですw)
今思い出すと恥ずかしい事ばかりです。つじつまの合わないことばかりを話していたようですが、看護師さんも家族も私の話を一切否定せずに聞いてくれていました。
後々調べたら、それ(=否定しないこと)が正しい対処法だそうです。
私の記憶の中では、おかしい日の中でもまともに話せる時間もあったと思います。そして徐々に症状がなくなって、ICUを出る頃には治っていたと思います。
今になって思う事
看護師さんはせん妄の患者の扱いに慣れているかと思いますが、家族は混乱していただろうし辛かったと思います。 でも、当時優しく私に寄り添ってくれたことと、今になってもあの時の話題は一切せずにいてくれることに感謝しています。
そして、せん妄はとても辛かったことの一つですが、おかしくなったのは自分のせいではないと固く信じて、一つの体験として大事にしまっておきたいと思います。
朝から暗いお話でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました!
お体に気を付けて、良い一日をお過ごしください☆